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第84回:マイホームの保険、火災や地震などのリスクへの備えは大丈夫ですか?(2010年4月)

マイホームを持つということは、家族の生活の場を確保することですが、それと共に大切な資産を持つことにもなります。多くの方は、住宅ローンを返している状態でもあり、資産を「守る」ための手を打つことは、家計のリスク管理としても重要です。もしも火災に見舞われたとき、地震で被害が発生したとき、あるいは水害や落雷に見舞われたとき・・・。あなたの家計はどうなりますか? そんなリスクや不安に備えるのが火災保険地震保険などです。

今回のコラムでは、こうしたマイホームのもしもに備えるための火災保険や地震保険などの基礎や、保険加入に際してのポイントについて解説していきます。この機会に、火災保険や地震保険の見直しも行ってみてはいかがでしょうか。


マイホームのこんなリスクに備えていますか?

まずはいきなりですが、わが家のマイホームのリスクについてチェックしてみてください。大事なマイホームに次のようなことがあったとき、あなたはリスクを感じますか? あるいはすでに備えているでしょうか?

<マイホームのリスクのチェックテスト>
1.もしも火災が起きたときは? リスクに感じる □ 備えている □
2.もしも落雷があったら? リスクに感じる □ 備えている □
3.ガス爆発などの破裂・爆発については? リスクに感じる □ 備えている □
4.風災やひょう災、雪災については? リスクに感じる □ 備えている □
5.台風などで起きる洪水など水災は? リスクに感じる □ 備えている □
6.自動車の飛込み等飛来・落下・衝突は? リスクに感じる □ 備えている □
7.給排水設備の事故などによる水濡れは? リスクに感じる □ 備えている □
8.騒じょう等で家が壊されるのは? リスクに感じる □ 備えている □
9.地震で被害を被ったときのことは? リスクに感じる □ 備えている □
10.家に置いてある家財の盗難は? リスクに感じる □ 備えている □

実は、このチェックテストで聞いた内容は、火災保険や地震保険、家財保険の補償に含まれるものです。これらの保険では、火事で家が焼けるなど火災の被害だけでなく、他にも広く補償されているのです。このチェックテストで、リスクに感じていて、なおかつ備えているのであれば、マイホームの基本的な備えとしては問題がないでしょう。

一方で、問題があるのは、
・リスクに感じているのに備えていない
・リスクに感じていないのに備えている
といった場合です。このいずれかに該当される項目があった方は、火災保険や地震保険などを見直す余地があります。


火災保険の基本事項を確認する

もしも火災保険に入っていない方がいたら、それは大きな問題です。火災をはじめ事故が起きた時には被害が甚大になる可能性がありますので、しっかり備えておくことが大事です。ここで、火災保険を大まかに整理すると次のようになり、4タイプに分けられます。

住宅火災保険、住宅総合保険、団地保険の3つは、いわゆるセット商品です。最も補償範囲が広いのが「住宅総合保険」で、その中の補償を絞り込んだのが「住宅火災保険」、またマンション用に絞り込まれた火災保険が「団地保険」です。それぞれ保険会社によって名称も内容も少し異なりますので、あくまでも原則論と捉えてください。これらはセット商品ですが、代理店などで設計してもらう際には補償をつけるかつけないか(担保するか不担保か)を選ぶこともできます。

なお、最近出てきたのが「自由選択型」の商品で、メインとなる補償以外は、自分の希望で設計することができる火災保険です。その他に、「地震保険」や「家財保険」については、自分で選択して適宜加入することができます。

<火災保険の種類:○=セットされている|×=セットされていない>
補償内容 住宅火災保険 住宅総合保険 団地保険 自由選択型
損害保険 火災・落雷・破裂爆発
風災・ひょう災・雪災 自分で選択
水濡れ
騒じょうによる破壊行為
外部からの物体の飛来・落下・衝突
持ち出し家財・盗難
× 自分で選択
水害 × × 自分で選択
費用保険 臨時費用
失火見舞費用など
(保険会社により内容が異なる)
自分で選択

※火災保険で補償されない主な損害…故意・重大な過失などにより発生した損害、火災などが発生した際の紛失・盗難による損害、保険料の領収前に発生した事故、戦争、暴動、地震・噴火・津波などによって発生した損害



地震保険 地震の損害に備える・・・任意加入


家財保険 家財の損害に備える・・・任意加入

火災保険に加入する際のポイント

これから火災保険に加入するという方は、次のような点に注意して加入しましょう。また、これまでの火災保険を見直したいという方にも重要なポイントとなりますので、忘れずにチェックしましょう。

ポイント1:自分のリスクに合わせて必要な補償を絞り込む

前述のチェックテストで見てきたように、保険に加入する際に必要な補償を見極めることが大事です。また、不要なものについては、保険期間中でも外せないか代理店などで聞いてみましょう。例えば、丘の上で水害のリスクを感じないのに水害の補償がついているなら外してもいいでしょう。

ポイント2:補償額は「再調達価額」で

火災保険の保険金額を設定する際には、「時価」ではなく同等の家を新たに建築・購入するのに必要な「再調達価額」で契約をしましょう。この再調達価額で支払われるようにするには、「価額協定特約」をつけて加入するといいでしょう。一方で「時価」での契約の場合は、再調達価額から年月経過により価値が下がった分を差し引いた額の支払いになります。また、時価で契約する際には、時価を超えて加入する「超過保険」は保険料の無駄になるので避けましょう。

新築時2,500万円、現在の時価2,200万円、再調達価額2,700万円だった場合・・・

全焼した時に支払われる金額
契約内容 「再調達価額」で契約 時価で契約
2,200万円 2,800万円(超過保険)
支払われる額は? 2,700万円 2,200万円 2,200万円
支払われるのは? 再築・購入に必要な額 時価(損害額−消耗分) 時価損害額が限度

ポイント3:家財保険は忘れずに入る

火災保険は入っていても、案外忘れている方も多いのが「家財保険」です。家財保険とは、火災などで建物と共に家財が損失・損壊した被害や、空き巣やピッキングなどによる盗難被害に対して補償される保険をいいます。通常、家財は「一式」で契約し、同一の生計の家族の家財はすべて対象になります。ただし、1個または1組30万円を超える貴金属や美術品などは、原則、保険契約申込書に明記をしないと補償の対象に含まれません。

ポイント4:地震保険は「割引」項目を忘れずに!

地震保険とは、地震や噴火、津波によって発生した、火災・損壊・埋没・流失による損害を補償してくれる保険をいいます。地震保険は単独では加入できず、火災保険に付帯して契約します(「被災者のための生活再建費用保険」については単独でも加入可能)。通常、建物と家財のそれぞれで契約し、火災保険の契約金額の30〜50%の範囲内で(100%までつけられるものもあり)、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額です。

地震保険の保険金額(契約金額) 主契約の火災保険の保険金額の30%〜50%かつ建物は上限5,000万円、家財は上限1,000万円まで

一般に地震保険は保険料が高く敬遠されがちですが、地震大国の日本においては、しっかり入ってもしもに備えることが大事です。なお、地震保険には各種割引があるので、加入する際や見直す際には、適用できるものは忘れずに適用してもらいましょう。例えば、免震建築物割引(割引率30%)、耐震等級割引(耐震等級3で30%、2で20%、1で10%)、耐震診断割引(10%)、建築年割引(10%、1981年6月1日以降に新築された建物である場合)などがあります。


最後に、火災保険は長期のものに入っている方も多く、よく分からないからと放置しているかもしれませんが、保険証券を一度取り出して、内容の把握だけでも努めましょう。また、必要な補償がカバーされていない場合や、不要な補償がついている場合、あるいは保険料が下がる可能性がある場合などは代理店などに相談してみるとよいでしょう。

火災保険の保険料について
実は2010年1月以降、火災保険の保険料を算出するベースになる住宅構造の審査方法や区分などの仕組みが変更され、多くの木造住宅は、火災保険の保険料がアップしました(経過措置があって実際には急には上がりません)。その中で、柱が鉄骨か、省令準耐火基準を満たした木造家屋については、保険料がダウンしましたので、それに該当する方で昨年以前に加入していた方は、保険の入り直しをすることで、保険料が下がる可能性があります。もし該当する方は、ネットや代理店で保険料を試算してみるといいでしょう。また、構造がよく分からない方も、一度試算してみると試算の結果で分かるでしょう。なお、見直しで元の保険を解約する際には、加入していた保険の内容にもよりますが、一時払いをしていた場合でも未経過分の解約返戻金は戻ります(通常、中途解約の控除もあります)。

2010年4月
ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田眞弓

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