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第81回:ガンの治療費は一体何にお金がかかる? ガン保険に加入する意味!(2010年1月)

日本人の死因の第1位であるガンは、多くの人にとって身近な病気といえます(厚生労働省 平成18年「人口動態統計」)。しかしながら、ガンの治療費については、公的医療保険の対象となるものとならないものがあり、よくたくさんのお金がかかったという話を聞いたりします。そういった中で、ガン保険は、この身近な病気であるガンを対象とした保険であり、手軽な保険料から、医療保険(特約)とは別に加入や検討している人も結構多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、ガン保険をテーマに、家計にとっても大きな支出となる可能性の高いガンの治療費の現状も絡めて、ガン保険に加入するメリットや役割などについて解説したいと思います。


ガンの治療費の現状は?

一般にガンの治療には多額の費用がかかると言われますが、その要因としては、治療の長期化と先進医療など受ける治療方法によって費用が異なる点などが挙げられます。まず、ガンの治療費で最も大きいのは、手術や放射線治療などの初期の治療のための費用とそれにかかる入院・検査等の費用です。そして、術後の治療費として、再発予防の抗がん剤治療、再発の有無をチェックするための定期的な血液・画像検査等の費用がかかります。

もちろん、これらの治療費は、ガンの部位や治療方法、入院日数、検査・薬の種類によっても異なりますが、抗がん剤治療や放射線治療で年間100万円を超えるケースもあります。また、厚生労働省が定めた最先端の治療方法(先進治療)の1つである「重粒子線治療」は、体への負担が軽く、ガンが効果的に治療できる方法とされていますが、1件当たりの平均費用は300万円以上もかかり、一般的な治療方法に比べて自己負担割合が重く、良いと分かっていても、気軽に受けられるようなものとはいえません。

そして、通常の治療以外にも、世の中にはガンに対する様々な民間療法があり、多くの人が漢方や免疫療法などを試していて、中には、ガンに効くとされる漢方薬や健康食品に毎月数万円をかける人も珍しくありません。なお、民間の保険会社が行った調査によると、ガンになった場合にかかる平均自己負担総額は、約92万円とのこと。これからも、万が一、ガンになった場合には、家計に大きな経済的負担がかかることが分かります。

<ガンの治療にかかった入院日数と自己負担総額>

ガンの種類 平均入院日数 平均自己負担総額※
全がん(平均) 32.6日 915,973円
気管・気管支・肺がん 38.1日 826,648円
胃がん 32.7日 1,031,984円
大腸・結腸がん 32.5日 931,926円
直腸がん 33.4日 1,113,828円
肝がん 39.6日 551,514円
乳がん 16.0日 746,039円
子宮がん 38.0日 1,074,399円
前立腺がん 26.5日 798,119円

※高額療養費制度(一定の自己負担限度額を超えた費用が給付され、医療費負担が軽減される制度)による給付は考慮されておりません。

出典:アフラック初回請求者調査「2004年3月」


公的医療保険がカバーしてくれる範囲は?

ガンの治療費のうち、健康保険など公的医療保険の対象となるのは、診察、検査、処置、投薬、手術、入院といった通常の医療(保険診療)についてです。一方で、前述の先進医療については、通常の医療の部分しか公的医療保険の対象とならず、先進医療の技術料の部分は全額自己負担となります。また、民間療法については、自分自身の判断で行っているわけですから、公的医療保険の対象とはなりません。

さらに、治療費以外の費用で大きなものに「入院時の差額ベッド代」があり、これも公的医療保険の対象外です。差額ベッド代については、病院側の事情で個室に入る場合は、全額が自己負担となることはありませんが、自分自身の希望で個室に入る場合は、全額自己負担となり、医療費控除や高額療養費制度の対象外となります。

そして、このほかにも、入院時の食事代、入院や通院のための交通費、遠方から治療を受けに行く場合の宿泊費や食事代、入院のための準備費用、休職や退職による収入や生活への備え、紹介状や保険請求のための書類作成費用など、様々な諸雑費がかかってきます。また、場合によっては、退院後に家事援助サービスを受けたり、乳幼児を抱える母親の入院中にベビーシッターを頼んだりする費用が発生するかもしれず、いずれも、これらの費用は公的医療保険ではカバーできませんので、自分自身で準備しておく必要があります。


自分自身でガンのリスクに備える〜ガン保険とは?

このようにガンは、診断後の手術や入院・通院以外に、術後の再発・転移時の治療、5年もしくは10年といった長期の定期検診などがあり、治癒するまでに長い時間と高額な費用がかかる病気といえます。しかも、公的医療保険の対象とならない費用も多くあり、そんな時に頼りになるのが「ガン保険」なのです。

ガン保険は、その名の通り、ガンの保障に特化しているため、一般的な医療保険に比べて割安な保険料で大きな保障が得られます。多くのガン保険では、ガンと診断されると、予め定められた金額(100万円〜300万円など)の「診断給付金」が支払われ、またガンで入院した場合の「入院給付金」については、入院日額1万円以上が一般的で、入院1日目から無制限で支払われるのも特徴的です。ただし、責任開始日から3ヵ月または90日間(免責期間)は、ガンになっても保障が受けられないので注意が必要ですが、最近では、この待機期間をなくしたタイプの商品も登場しています。

このほか、ガン保険には、「手術給付金」「退院給付金」「通院給付金」などもありますし、死亡時の「死亡保険金」については、ガン以外の死亡の場合、ガンによる死亡時に比べて金額が低く設定されており、死亡保障を小さくすることで、保険料を安くしている商品もあります。


ガン保険のメリットとは?

ガン保険に加入する一番のメリットとして、ガンに対して様々な給付金等が受けられる点がありますが、このほかにも「ガンPET検診」「ガン専門相談」「訪問相談」「セカンドオピニオン」などの充実した商品付帯サービスが受けられる点もあります。

万が一、ガンともなれば、家計面での経済的負担とともに、本人や家族の精神的負担も大きく、相当な不安や悩みを抱えるケースもあるでしょう。そんな場合に、ガン保険に加入していると、専門の相談員やカウンセラーなどへの無料相談サービスを活用できます。もちろん、医療保険でもガンに対する保障をカバーすることはできますが、ガン家系でガンになる可能性の高い人やガンへの不安が大きい人などは、ガン保険に加入すると、より安心と言えるでしょう。


治療とともに進化するガン保険・・・

今日では、医療の進歩とともに、「不治の病」と呼ばれたガンも、早期に発見し、適切に治療をすれば「治る病」というように人々の認識も変わってきました。そして、それとともに、ガン保険も進化しつつあり、最近の傾向としては、次のような特徴があります。

(1)先進医療の保障をカバーできる

公的医療保険の対象とならない先進医療の技術料をカバーできます(ただし、通算1,000万円までの限度額あり)。

(2)診断給付金が複数回支払われる

通常は、最初の診断時に一回支払われるのみでしたが、複数回支払われるタイプ(2年に1回などの条件あり)や、これまでは支払われないか、支払われても一部のみだった上皮内がん(転移しないため切除すれば治る軽度のがん)についても、同額の診断給付金が支払われるタイプなどが出てきています。

(3)ガン入院前の通院にも対応

従来の通院給付金は、ガンで5日以上入院した場合の退院後の通院のみが対象でしたが、医療技術の進歩とともに、通院によるガン治療が増加傾向にあり、これに合わせて入院前の通院や、入院の日数・有無を問わない通院給付金が支払われるタイプも出てきています。

多くの人にとって、ガンは身近な病気なだけに、ガン保険にも様々な種類があり、商品ごとにそれぞれ違いがあります。そのため、商品によっては、自分が希望する保障を受けられないケースもありますので、実際に加入する場合には、自分がどのような保障を確保したいのかを明確にしてから選ぶことが大切です。


ガン保険はうまく活用することが大切!

最近のガン保険は、保障が充実している商品も多く、実際に加入していれば、万が一の時に安心感が増すかもしれませんが、その分、保険料負担も増えることになり、家計を圧迫してしまうこともあります。そのため、家計で支払う保険料と、ご自身やご家族の加入する保険(保障)を最適化した上で、ガン保険をうまく活用するのがよいでしょう。例えば、生命保険の掛け過ぎの「死亡保障」などを見直して、その分の保険料をガン保険に回すというのも一つのやり方です。

最後に、ガンなどの病気の備えとして、基本はやはり貯蓄ですので、イザという時のために150万円〜200万円程度は準備しておくと安心でしょう。これくらいの貯蓄があれば、当面の治療費等をまかなうことができますし、高額療養費制度や税金の医療費控除などの公的な制度もフル活用させながら、ガンなどの病気に対する経済的リスクにもある程度対応することができます。

2010年1月
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
黒田 尚子

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